「天文館」の歴史⑩ デパートの誕生の前に
2008年10月05日

(写真は閉店が発表された三越鹿児島店) 続きを読む
「天文館」の歴史⑨ 「マガザン・ド・ヌヴォテ」と「天文館」
2008年09月25日

という状況の中で現れた「マガザン・ド・ヌヴォテ」(流行品店)だが、遠くから訪れる客をどのようにして誘致したのだろうか。その背景にはパリのインフラ整備が大きく関わっていた。その最大のものを「歩道の整備と乗合馬車の運行開始だろう」と鹿島氏しは指摘する。
(「電停天文館どおり」を発車する市電。たくさんの人を吐き出し、そして積んでゆく)
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「天文館」の歴史⑧ もう少しパリのことを
2008年09月23日

ベンヤミンが指摘したパサージュ成立の第1条件、つまり「マガザン・ド・ヌヴォテ」(流行品店)登場前のパリの小売店の様子だ。
『デパートを発明した夫婦』(鹿島茂 講談社現代新書)という本がある。これは、労働者階級も含めた大衆を対象とした消費装置であり、世界初のデパート「ボン・マルシェ」を創業したアリィスティッド・ブシコーとマルグリットの成功の物語を通して、大衆消費社会の成立を検討しようという労作だ。その最初の部分に「マガザン・ド・ヌヴォテ」登場前後、つまりパサージュ登場前後のパリの様子、商店の様子が述べられているので参考にしたい。
(写真は、深夜の百貨店。ショーウィンドウが別世界のように浮かび上がる)
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「天文館」の歴史⑦ 浮遊する人々
2008年09月12日

(写真は「本家天文館」を主張する東千石町の道路に埋め込まれた藩政時代の天文館の様子) 続きを読む
「天文館」の歴史⑥ パリはどうなっていたか
2008年09月09日

「天文館」の歴史⑤ 文化的天幕装置
2008年09月07日

第一に流行品店(マガザン・ド・ヌヴォテ)の登場を指摘する。これらは百貨店の原型であり、織物取引の絶頂を背景に登場した大量の在庫を常備する店だった。第二に、鉄の機能性を理解した建築家の登場による鉄骨建設の開始だ。
街路の両側に並ぶそれぞれ独立した商店。その街路の上に鉄骨の柱とガラスでできた屋根をかける。それまで単なる街路だったものが、1つの建築物として、いや世界として成り立つ。それまでの商店の正格はがらっと変わるのだ。事業者が資金を出し合って建設したパサージュ、つまり、商店はそれまで1事業者の商店であり住まいであっただけだが、パサージュがかかった瞬間に事業主たちの協同の所有物、そしてそれらはたとえ行政からの支援がなかったとしても、事業の利益(消費者の支払った金の一部)でまかなわれたという意味で公共財となる。
(写真は夜中のはいから通り。「We Love Tenmonkan」の「We」とはだれのことだろうか) 続きを読む
「天文館」の歴史④ 公共財としての舗装
2008年09月04日

第2回で引用した、ベンヤミン『パサージュ論』の一説だ。「建物の所有者たちが、このような大冒険をやってみようと協同したのだ」という部分に着目し、私は、当時パリの繁華街には事業主たちの協同組合的組織があったと考えた。いわば資本家の連合体だ。
(写真は現在の「天文館」のとある路地。これも「天文館」のモダニティの一側面だ) 続きを読む
「天文館」の歴史③ 疎外される群衆
2008年09月02日

競い合うように掲げられた大きな看板、横断幕、旗、そしてアール・デコ様式をモダニズムの象徴として受け入れて建てられた映画館。「天文館」は、そこにある「商品」そのものを「夢」として膨張させ売りさばいてゆく。商店街は「夢の街」、つまり幻像があふれかえる街となったのである。
(写真は山形屋増床工事のためにつくられていた防護壁が撤去され、あらわになったアーケード。まさに「装置」と呼ぶにふさわしいカタチをしている) 続きを読む
「天文館」の歴史② モダニズムと「遊歩者」
2008年09月01日

ヴァルター・ベンヤミンが、当時発行されていたの『絵入りパリ案内』の文章を引用しながら『パサージュ論』の冒頭に記した言葉だ。この言葉から、当時のパリの繁華街には、すでに建物の所有者たちの協同組合的組織があったことがうかがえる。 続きを読む
「天文館」の歴史① その考察の方法
2008年08月31日

藩政時代から太平洋戦争終戦にかけての、その歴史は唐鎌祐祥氏に『天文館の歴史 終戦までの歩み』(春苑堂かごしま文庫 ⑤)という労作がある。興味のある方はご一読いただきたい。 続きを読む
「天文館」ってどこ?
2008年08月30日

鹿児島市の住所表示で見てみても、たとえば東京銀座のように「天文館~丁目~何番地」という住所は存在しない。「天文館通」という電停があり、「天文館通り」という通りがあるだけだ。
私は過去に、天文館通りの入り口に立ち、行き交う人を任意に選びアンケートをとったことがある。 続きを読む
はじまり、はじまり
2008年08月29日

だから、思考の流れが前後したり、全く違う場所に飛んだり、そんなこともありうる。
そのことをご理解いただきたい。
いま、中心市街地、つまり鹿児島でいうと天文館の活性化が大きな問題になっている。
が、問題になっているのは、「経済」だ。だれがどれだけ儲けるか。だれが勝って、だれが負けるか。そのために、どうやって人を集めるか。そんなことが中心になっている。天文館を含む中央地区、再開発が進む中央駅地区、谷山を中心とする鹿児島市南部地区と地区間の競争が激化し、さらに地区内での競争も激化していることが背景にある。 続きを読む